タレントの松本明子さんが、25年間にわたり空き家だった香川県高松市屋島の実家を売却したことが先日話題になりました。
「高松の家を守ってくれ」という父親の遺言…
東京から通いながら管理する手間、かさむ費用…
遺言を守り続けながらも、ついに売却を決意するまでの松本明子さんの事例は勉強になります。
概要をまとめますので、実家が空き家だという方は参考にしてください。
松本明子さんが売却した実家の情報
松本明子さんの実家の情報は以下の通り。
場所:香川県高松市屋島
建物:木造5DKの一戸建
築年数:築45年
建築費:2,000万円
土地:90坪(金額不明)
松本明子さんが両親を東京に呼んだ約25年前から空き家になっていたそうです。
父親の遺言(2003年に他界)を守り、約10年前に母親が亡くなってからも、松本明子さんは一人で実家を管理してきました。
松本明子さんの実家=空き家をめぐる課題
そんな松本明子さんも、まさに現代の「空き家問題」に直面しました。
次のような様々な課題を抱えて…。
- 実家の掃除・片付けのため、電気・水道は通したまま(年間約3万円)
- 東京から高松市までの交通費が毎回かかる(年間約43万円)
- 老朽化が進まないよう、620万円かけてリフォーム済
- 25年間の維持費を計算すると総額1,800万円に
- 庭の手入れが行き届かず、高松市から除草するよう指導が来たことも
- 年齢的(50代)にも、遠距離を通いながらの管理は厳しくなってきた
松本明子さんの感心するところは、実家を空き家状態のまま放置せず、できる限りの管理を続けたその姿勢です。
高松市には親戚や友人がいることもあり、実家を処分する=関係を断つことになる…という懸念もあったとか。
また、空き家の老朽化に伴い、害虫・害獣のすみかにならないように大規模なリフォームを行っていたのも驚きです。
松本明子さんが実家を売却するまでの経過
空き家になった実家の維持を頑張ってきた松本明子さん。しかし、年齢的にも費用的にも、年月を重ねるごとに管理が大変になってきました。
そしてついに、思い出の詰まった実家を処分する決意を固めたのです。
不動産業者に買い取り査定をしてもらったところ、査定額は200万円だったとのこと。松本明子さんが想定した金額を、かなり下回る金額でした…。
とはいえ、買い取り後に業者がリフォームして再販する目的の場合、この査定額は仕方ない数字でしょう。
一般的に、築45年の木造となれば建物自体の価値はないと判断されるからです。
関連記事:空き家を買取業者に売却するメリット&デメリットは?一般客への売却とここが違う!
松本明子さんは買い取り業者には売却せず、香川県の「空き家バンク」に登録。希望学の680万円で、一般向けに売り出すことにしました。
それから4カ月…
「640万円なら購入したい」という高齢夫婦が現れ、松本明子さんが値引きに応じて売買が成立しました。
ホッとした松本明子さんは「家に愛着もありますし、思い出もありますし…。うれしい反面、寂しさもありますけど、肩の荷が下りました」と話していました。
土地神話ってのがあるんだけど、土地とか家とかやっぱすまなきゃ意味ないもんね。私もそのうち昭和一桁が遺したモノを処分しなきゃいけないと持っている 松本明子 空き家だった高松の実家売却で大赤字「かかりましたですねぇ」― スポニチ Sponichi Annex 芸能 https://t.co/xKgYlzKoaE
— やぶくん (@takamatsu_yabu) July 14, 2020
ほんまこれ
処分は思い立ったら
素早く動く
でないと大変な費用が
後からかかります
老後資金を食いつぶすから
松本明子 空き家だった高松の実家売却で大赤字「かかりましたですねぇ」 #SmartNews https://t.co/0b4zkQABxA— TOM (@ACL4th) July 14, 2020
まとめ
松本明子さんの実家売却までの経過をまとめましたが、どのような感想を持ちましたか?
私が個人的に感じたことは、やはり「住む予定がない遠隔地の空き家は、できるだけ早く売却した方がいい」ということです。
思い出が詰まった実家を処分するには覚悟が必要なのはわかります。
しかし、長年の維持管理には相当な費用がかかり、売却できても結局はマイナスになります。特に一戸建は、誰も住まなくなると一気に老朽化が進みます。
これだけ各地で空き家が急増しているわけですから、少しでも築年数が浅いうちに手を打つことをおすすめします。
松本明子さんの「肩の荷が下りました」というコメントも印象的でした。
親が子に「家を守ってほしい」という遺言を残す例は多いと思います。ですが、いざ相続が発生すると、使う予定がない古い空き家は“お荷物”となります。
管理しなければならない相続人の、その後の生活を縛ってしまう結果になることもあるでしょう。
「誰も住まなくなった家は自由に処分していい」という約束を、前もって家族でしておいた方がいいと思います。