中古物件(一戸建のほか、収益アパートも含めます)の購入を検討する際、現地見学をしますね。
その際、まず最初にチェックしてほしい点が基礎部分のコンクリートの状態です。
ここに“緊急性のある”クラック(ひび)が入っていた場合、その時点で購入を控えた方がいいと思われます。
クラックにも、緊急性のない「収縮クラック」と、早急に補修すべき「構造クラック」の2種類があります。
今回は、このクラックの特徴を紹介します。
中古物件の基礎にある「収縮クラック」とは?
物件の周囲をぐるりと回り、基礎コンクリート部分の、特に通気口あたりをチェックしてください。
築古物件でよく見られるのが、通気口の角にある「収縮クラック」。別名「ヘアークラック」とも呼ばれる、細いひびです。
- 深度が浅く、髪の毛くらいの太さ(ひびの幅0.2mm~0.3mm)
- 年月の経過とともにコンクリートが乾燥し、収縮によって発生
- 地震による建物の揺れで発生することもある
- 建物の構造に影響なし
早急に修繕が必要というレベルではなく、自分で補修することができるクラックです。
山岡さんの健美家コラムにあった
地震被害物件のクラック補修について私の物件基礎のヘアクラックへ試しに
トーヨー インスタント スプレーセメント
約1,700円1.補修部を水で霧吹き
2.スプレー
3.スポンジで綺麗に
4.水で霧吹き以上、凄く簡単
ただ仕上げは練習必要
順次補修していく pic.twitter.com/g55O1VqSd6— やっさん@自然体で大家業 (@yassann_blog) July 16, 2020
中古物件の基礎にある「構造クラック」とは?
一方、緊急性があるひびが「構造クラック」です。その特徴は…
- ひびの幅0.3mm以上、深さ5mm以上
- 建築時の欠陥により、地震の揺れ・歪みを受けて発生
- 収縮クラックを放置し続けると、構造クラックへと悪化することも
構造クラックを放っておくと雨水が入り込み、基礎の強度が一気に低下。コンクリートを割ることもあります。
福島市にて
外壁補修の現調です。
地震などにより外壁のヒビ割れがおきてしまうことが多々ありますが、放置してしまうとヘアークラックから構造クラックへと悪化してしまいますので、早期修繕をお勧めします!#さゆり工務店 #福島市 pic.twitter.com/ZO3BjRhZ83— さゆり工務店 主任 田村 (@Cd4ndulMcMw5iQ9) June 24, 2020
基礎補強工事中。
内基礎に構造クラックが目立ったので、一先ずクラック補修。ワイヤーブラシかけて下地処理してエポキシ補修材を引いたらゴムベラでしごいて馴染ませる。 pic.twitter.com/DvYRwMMbz6— よーじ (@a_not_taken) December 29, 2019
こちらは、専門家による状態確認と補修が必要になります。
ですので、もし購入検討の物件に構造クラックが見られた場合は、候補リストから外すしてもいいと思います。
関連記事:中古一戸建の5つのメリットとは?購入時の注意点もチェック!
終わりに
中古物件の現地見学では、建物内部にばかり目がいってしまいがちですが、まずは周囲を回って基礎部分の状況をチェックしてください。
合わせて、外壁・屋根の劣化具合も確認するといいでしょう。