マイホーム購入の総予算は「頭金+借入額(住宅ローン)+諸費用」で考えます。それぞれいくらになるかによって“買える家”の価格が決まります。
「諸費用」については、以前に別記事で取り上げましたが、今回のテーマは「頭金(あたまきん)」です。
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頭金とは、マイホーム購入のためにすぐ出せる現金のこと。頭金の目安や、貯金の何割くらいを頭金に回していいものか?などについて解説したいと思います。
頭金の目安はいくら?
頭金を多く用意できれば、住宅ローンの借り入れ額を少なくできるので、毎月の返済負担を軽くできます。
頭金の目安は、最低でも購入物件価格の10%は確保しておきたいところです。契約時の手付金として、10%の額が必要な物件もあるからです。
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10%より多く用意できればできるほど有利ですので、なるべく自己資金を貯めるようにしましょう。または親から資金援助を受けるという方法もあります。
「頭金なし」で購入できるローンもありますが、融資の審査が厳しくなるのが通例。また、購入費の全額を借り入れると毎月の返済額が大きくなり、家計が苦しくなることも…。
頭金なしで家を買うと失敗する?
上記の通り、頭金なしでマイホームを購入すること自体は可能です。ただし、「頭金なしで何とか買えた」という状況と「頭金なしで買っても家計は大丈夫」という状況は違いますので、注意しましょう。
参考までに、3,000万円のマイホーム購入で頭金「なし」と「あり」の住宅ローン返済額を比較してみますと…
※金利1.5%(全期間固定金利)、35年返済、元利均等返済のローン条件とします
頭金の額 | 借入額 | 毎月返済額 |
なし | 3,000万円 | 9万1,855円 |
300万円 | 2,700万円 | 8万2,669円 |
600万円 | 2,400万円 | 7万3,484円 |
月々の返済額に差が出てくることがわかりますね。やはり、ある程度の頭金は必要で、返済額・利息は少ない方が安心です。
頭金なしの購入が必ず失敗するとは言いませんが、貯金できていない家計で住宅購入することのリスクをよく考えましょう。貯金できず頭金が用意できない場合は、住宅ローンの月々返済額を「家賃並み以下」にするようにしてください。
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貯金すべてを頭金に回していい?いくらか残すべき?
できるだけ借り入れを少なくしたいから、貯金全額を頭金に充てよう!
…という考えは、これはこれで不安なものです。引っ越し費用や家具の購入なども必要でしょうし、マイホーム関連以外の出費(例:車検、子供の進学費など)も想定しなければいけません。
購入後に何があるかわかりませんから、貯金すべてを頭金に回すのは避けたいところです。悪い出来事ばかり考えてはいけませんが、もしかしたら急病や事故で入院して収入が減る可能性もゼロではありません…。
残しておく貯金の目安は、最低でも生活費の3カ月分。このほかに引っ越しや家具購入の費用分もキープしておくといいでしょう。
終わりに
頭金の割合や残しておきたい貯金額などについて紹介しましたが、あくまで目安となります。
それぞれの家庭の状況によって異なりますので、まずは以下の項目をピックアップしながら、お金の動きをシミュレーションすることをお勧めします。
- 手元にある貯金総額
- 最低3カ月分の生活費
- 引っ越し・家具購入の費用(仮)
- マイホーム以外で、近々予想される出費
- 親からの資金援助は得られそうか?
こうした情報を整理し、頭金に回せる額を把握しましょう。