欠陥住宅でも売却できる?瑕疵担保責任や現状有姿の売買の基本!

床の傾きが酷い中古住宅は売れますか?という質問を、所有者の方から受けました。

リビング中央から端までの約6m間で4.5㎝もの傾斜があり、ビー玉を置いたらゴロゴロと転がる家でした…。

それでも、欠陥があっても売却することは可能です。価格をその分安くするか、費用をかけてジャッキアップしてから売り出すか。

欠陥をカバーする条件にすれば、売れないことはありません。

ただ、注意すべき点は、欠陥を知らされなかった買主が購入後に気づいてクレームになった場合、売主はその責任を取らなければいけないことです。

これを「瑕疵担保(かしたんぽ)責任」と言い、売買契約書には売主が責任を負う期間などが記載されるのです。

この記事では、瑕疵担保責任について解説しながら、セットでよく使われる「現状有姿(げんじょうゆうし)」という関連ワードについても触れていきます。

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瑕疵担保責任とは何?

土地建物の瑕疵(=欠陥)とは、例えば、雨漏り・シロアリ被害・給排水設備の故障・地中埋設物などのこと。

これらが売却後に問題になった場合、売主が損害を賠償したり、最悪は契約が無かったことになります。

ここでのポイントは、買主が契約時に「知らなかった」欠陥について売主が責任を負うという点です。

言い換えると、初めから欠陥について買主に説明していれば責任を負いません(ただし、売主側の「知らなかった」は認められず、責任が生じます)。

よく売買契約書で見かける瑕疵担保責任の期間は「売り渡してから3カ月」。期間は自由に設定できるので、買主が納得すれば「売主は責任を負わない」と定めることもできます。

築年数が古い空き家の売買では「負わない」とする契約も多いです。

売主としては「負わない」契約に持って行きたいところでしょう。

しかし、過去の裁判例を見ると、たとえ「負わない」としても、買主が住宅に住めないような重大な欠陥が見つかった場合は、結局、売主が責任を負うケースもありました。

ですので、特に中古物件を売却する際は注意が必要です。

とはいえ、売主自ら瑕疵を把握することは難しいと思いますので、費用をかけて住宅状況調査(インスペクション)を行ったり、瑕疵保険に加入したりして、リスクを回避することも検討すべきでしょう。

弊社でも調査や保険の紹介ができますので、ご相談ください。

関連記事:インスペクション(住宅診断)の費用はいくら?売主にメリットあるの?

民法改正で「瑕疵担保責任」は無くなる

ちなみに、2020年4月1日の民法改正により「瑕疵担保責任」という言葉は使わなくなり、「契約不適合責任」という呼び方に変わります。

中身がどう変わるかと言いますと、今後は売主が瑕疵担保責任を負う・負わないという話ではなく、契約時に説明がなかった欠陥は「約束と違う」ので、買主の求めによって修理したり売買代金を下げなければいけません。

言い換えれば、物件の現状を細かく買主に伝える売買契約書にしてください―という意味にもなります。

[変更点]

  • 買主は、契約時に聞いていない欠陥部分の一部補修などを求めることができる
  • 売主が補修をしない場合は、売買代金の減額を求めることができる
  • 売主に過失がない場合は、損害賠償を求めることができない
  • 期間は、契約不適合を知ってから1年以内に売主に通知すればいい

一見、買主保護が強くなったと捉えがちですが、売主の「責任」の範囲がより明確になるので、取引は柔軟になるかと思います。

関連記事:物件確認書(告知書)と付帯設備表とは?売主が記入する時の注意点!

現状有姿の売買の意味とは?

上記の流れを踏まえると、たまに他社さんの契約書で見かける「現状有姿の売買であるため、売主は瑕疵担保責任を負わないものとする」といった特約は意味がなくなりますね。

現状有姿=今あるそのままの状態とは、一体どんな状態なのか、建物や設備に欠陥・不具合があるのかないのかなどを明示する必要があるからです。

今後はこうした曖昧な文言は使わず、引き渡す物件の設備一覧や故障の有無、買主に引き継ぐべき事項を詳しく書面にすることが求められます。

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