中古一戸建の物件を比較・検討する際、必ず確認していただきたいのが「所有者がその家を売却する理由」です。その理由によって購入するか・しないかを判断する要素も含まれているからです。
そこで今回は、中古一戸建が売りに出されるパターンを紹介したいと思います。
また、中古一戸建は値引き交渉しやすいと考えられがちですが、売却理由によっては難しいものもあります。その辺りのポイントについても触れます。
中古一戸建の売却理由とは?
所有者が家を売りに出す理由はさまざまです。主な理由を6つ挙げてみますと…
①一般的な住み替え
「子供が大きくなり手狭になったため、部屋数が多い家に引っ越したい」「老後2人暮らしになったので、広い家ではなくコンパクトなマンションに移りたい」など、ライフステージに合わせた住み替えです。
通学・通勤・買い物などに便利な住環境を求める住み替えもあります。
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②相続財産の整理
「親から実家を相続したものの、持ち家があるから使う予定がない。管理も大変なので手放したい」といった理由です。最近増えています。
③やむを得ない事情
県外や海外への長期転勤が決まった、離婚することになり夫婦で財産分与したい、住宅ローンが支払えない…といった、やむを得ず売却するケースです。
④老後の生活費の捻出
認知症などの所有者が施設に入っており、その費用を捻出するための売却です。財産管理を受けた代理人(成年後見人)が窓口になったりします。
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⑤住宅に欠陥・不具合がある
「家が傾いている」「結露がひどい」「シックハウスで体調が悪い」といった理由のほか、室内で住人が亡くなる事故などがあったため手放したいケースです。
⑥近隣問題
家に問題はなくても、近隣からの騒音・振動・臭気などに我慢できずに売却することも。
また、隣家と土地の境界をめぐってトラブルになり、ストレスに悩んだ末に家を売って愛着ある地を離れたというケースも見たことがあります。
中古一戸建の値引き交渉が行えるケースとは?
中古一戸建の売却理由を確認する大切さが、少しおわかりいただけたかと思います。
特に上記の⑤・⑥に関わる物件の場合は、価格とのバランスも見ながら慎重に検討するようにしましょう。
なお、物件によって価格の値引き交渉ができるものもありますが、所有者の事情次第では難しいので、無理な交渉はやめましょう。
例えば、転勤や近隣関係を理由として売り急いでいる場合は交渉に快く応じてくれるかもしれません。一方で、所有者の住宅ローンが残っていたり、施設費用を捻出しなければいけない場合などは応じてもらえないことが多いです。
ちなみに、不動産業者が「売主」として商売で販売している物件が長期間売れていないような場合は、値引き交渉の余地が十分にあります。