老老介護の事件から現状を学ぶ!介護に適した家は一戸建よりマンション?!

介護が必要な高齢者を、65歳以上の配偶者(または子供)が介護する「老老介護」。今回は、その原因や現状などをテーマにしたいと思います。

厚労省の調査によると、在宅介護の世帯のうち54%が老老介護の状態だといいます。

その問題点は、介護する人も肉体的・精神的に追い込まれ、いずれ“共倒れ”する可能性があること。さらには虐待行為や殺人事件に発展してしまうケースも…。

簡単に解決できる問題ではありませんが、老老介護になることが予測できる場合は、早めに予防策を考えることも大切です。

「住まい」に注目するなら、一戸建(2階建)のような広い自宅は、老老介護の世帯には、かえって不便になります。階段・段差・敷地の手入れ…といった、介護の邪魔になる要素があるからです。

一戸建は売却し、マンションへの住み替えを検討してみるはいかがでしょうか―?

スポンサーリンク

老老介護の原因とは?

老老介護が増えている主な原因を、あらためて確認しますと…

  • 日本人の平均寿命は高いものの、健康体でいられる「健康寿命」は平均寿命より約10年短いという現状がある
  • 核家族化で、親子離れて暮らすことが増えた
  • 子供や他人に助けを求めることに抵抗感を持っている高齢者が多い
  • 介護サービスを受けたくても、金銭的な理由で受けられない高齢者もいる

関連記事:認知症の親の不動産売却はどうする?成年後見制度のメリット・デメリット

老老介護によって起きた事件(新聞報道から)

「介護の疲労や孤独から解放されたい…」。そんな介護者が起こしてしまった悲しい事件を、新聞報道から3つピックアップします。

〈朝日新聞 2019年11月22日〉

福井県敦賀市の民家で17日、70代の会社役員男性と90代の両親の遺体が見つかった。男性の殺人容疑で逮捕されたのは、妻の◯◯◯◯容疑者(71)。「村一番の嫁」と家族が自慢し、面倒見がいいと地元で評判だったが、近しい人には「介護がしんどい」と打ち明けていた。事件の背景に「老老介護」「多重介護」の問題が浮かび上がる。

JR敦賀駅から南に約2キロの道口(みちのくち)地区。田園地帯の集落に立つ一軒家で、事件は起きた。17日朝、◯◯容疑者から「(家族を)手にかけた」との電話を受けた親族が容疑者宅を訪れ、3人の遺体を見つけた。

県警によると、◯◯容疑者の夫の◯◯さん(70)が2階寝室、義父の◯◯さん(93)と義母の◯◯さん(95)が1階寝室で倒れていた。

◯◯さんの遺体の近くには、凶器とみられるタオルが落ちていたという。◯◯容疑者は「3人を世話していた」「3人の首を絞めた」と話し、県警は◯◯さん殺害容疑で逮捕。義父母殺害容疑でも立件する方針で、介護疲れが理由の一つとみている。

〈佐賀新聞 2017年11月14日〉

昨年9月、体が不自由な妻=当時(71)=を鹿島市の自宅で殺害したとして、殺人罪に問われた夫の◯◯◯◯被告(71)=同市納富分=の裁判員裁判の初公判が13日、佐賀地裁(吉井広幸裁判長)であり、◯◯被告は起訴内容を認めた。

検察側は「介護疲れの果ての身勝手な犯行」と指摘し、弁護側は妻の同意があったとして「承諾殺人にとどまる」と主張した。

検察側は、◯◯被告が証拠を残すため犯行時に録音した音声データを明らかにし、「承諾はなかった」と主張した。

冒頭陳述では、妻◯◯さんを20年以上介護してきた◯◯被告が、妻が介護施設になじめなかったことなどを悩んで自殺を考えるようになり、「妻を残して死ねない」と殺害を決意したと述べた。

音声データは10分55秒の長さで、証拠調べの際に検察側が読み上げた。

冒頭に「◯◯(妻の名前)」「なんね」といったやりとりがあり、◯◯被告が「もう死んでくれ、俺も死ぬから」と話した後、おえつを漏らし「こんなことしたくなかったのに、すまん、すまんのう」という言葉が記録されていた。

被告人質問で◯◯被告は妻の承諾について「絶対になかった」と述べた。

ただ、弁護側は、目を覚ました妻に抵抗した跡がなかったとして「殺害を受け入れていたのでは」と主張し、「被告は年々大きくなる介護負担で追い詰められ、うつ状態だった」と訴えた。

起訴状などによると、◯◯被告は昨年9月7日午後10時から8日午前4時半ごろまでの間に、自宅1階の寝室の介護用ベッドで、下半身が不自由な◯◯さんの◯を電気延長コードで絞めて殺害したとしている。

〈長崎新聞 2018年2月18日〉

長崎県佐世保市の民家で亡くなった妻(79)の遺体を放置したとして、死体遺棄の疑いで同居していた夫(82)が1月に逮捕された。

約半年にわたり周囲に気付かれなかった妻の死。背景の一つに夫の「孤立」があったとされる。

(中略)

事件の発覚は1月19日午後。夫婦の家を訪ねた親戚が、居間に横たわっている妻の遺体を発見した。

遺体は腐乱して一部が白骨化。夫は「昨年7月に妻が亡くなり、そのままにしていた」などと供述。

捜査関係者は「親戚とは疎遠だったようだ。年に一度、会いに来ればいい方なくらい」と話す。

夫は元公務員。妻は足が不自由だったが、近所のスーパーで縫製の仕事をしていたという。2人の息子は独立して県外で暮らしていた。

数年前まで自治会費を集めるために訪ねていた女性(40)は「明るい感じでしっかり受け答えをしてくれる普通の夫婦だった」と振り返る。

だが、2年ほど前から妻の姿を見る人はいなくなった。夫は朝早くバスに乗って出掛け、夕暮れに帰るところを度々見かけられた。行き先の一つは近くのスーパー。店内の椅子に1人で座って過ごしている様子を見た人もいた。

「奥さんは寝たきりで出歩けないのだろうか」。

自治会長の男性(84)はそのころから毎月夫を訪問。妻に要介護認定を受けさせ、生活の手助けをしてもらうことを勧めた。

だが夫は「私が見てるんだから」と怒り、「もうよかって」とドアをピシャリと閉めた。

(以下、省略)

老老介護によって起きた事件(補足)

上記の鹿島市の事件では、夫は電動車椅子の妻が移動しやすいように、広い一軒家をリフォームしていたといいます。

近所からも「献身的な旦那さん」と見られていたようですが、実態はそんな生易しいものではありませんでした。

夫は几帳面で面倒見がいい性格。それがかえって「自分でなければ妻は介護できない。周囲に迷惑をかけられない」と、自らを追い込む要因になったようです。

特に男性が介護する立場になると、周囲に助けを求めることができず、孤独感に負けて破綻するケースが多そうです。

関連記事:老後一人暮らしの住まいに適した間取り&広さとは?孤独死を防ぐ対策も!

介護の負担軽減には自宅の見直しも大切

老老介護の状態もケースバイケースのため、一つの方法ですんなり問題解決できるとは限りません。とはいえ、上記の事件の内容から、事前に行える対策も見えてきたりします。

  • 子供や他人にSOSを出すことをためらわない。介護のストレスや疲労は“緊急事態”と捉え、周囲にどんどん相談する
  • 広い一戸建の自宅よりも、コンパクトなマンションなどに住み替えた方が、介護の負担が軽くなる
  • 利用できる介護サービスについて調べてみる。役所に要介護認定を申請し、認定されれば自己負担も1~2割でサービス利用できる
  • 寝たきりを防ぐ食生活・運動習慣を身につける。健康寿命を延ばす

「自宅の見直し」は大切だと思います。ただでさえ介護は体力を使うのに、家が広すぎたり、段差があったりしたら余計に疲れます。

「上る・下りる・またぐ」が多い家は、ストレスやケガの原因にもなりますからね。

こだわって建てられた家だとは思いますが、果たして2人きりの介護生活に適した広さ・間取りなのだろうか?…と考えてみてほしいのです。

バリアフリー化されたコンパクトな家の方が、住みやすいことは間違いないでしょう。

とすると、老老介護世帯(なりそうな世帯)は、一戸建ではなく、マンションに住み替えた方が暮らしやすいと思います。一戸建の自宅は売却し、マンションを購入して住み替えるというプランもご検討ください。

一戸建は孤立しがちですが、集合住宅のマンションには管理人が常駐していたり、周囲に住人がいるという点ではメリットになります。

ちなみに、自宅を売却したらいくらになるのか、あらかじめ知っておくことで今後の具体的なプランを練ることができます。

弊社では売却査定もしておりますので、ご希望でしたら連絡ください。

スポンサーリンク